7月の雑感(不動産とAI)
ポケモンGO、凄いことになっていますね。私のスマホは古くて、ダウンロードできないという悲しい状況になっております。
GPSを利用して、Googleの地図データ上でのゲームなので、不動産業界にも、今後色々と影響が出そうな雰囲気になっています。
この1年くらいで、不動産とAIというキーワードで一部では大変盛り上がっております。IT音痴の自分としては、少し目を背けたくなる話題なのですが、近い将来、必ず仕事にも影響することは確実だと思っているので、無視できない状況であることは間違いないですね。みなさんご承知だとは思いますが、これからは「不動産テック」というのが流行るようです。
住みたい物件をいちはやく見つけてくれるプログラムを開発した方もいらっしゃいますし、ソニー不動産とYahooが新しい不動産仲介を提供していますし、イタンジという会社は既にITで不動産業界を改革しつつありますね。
私は、不動産鑑定士ですので、不動産の価格を評価して、レポートを提出する仕事がメインです。コンサルティングを行う場合も、まず不動産の診断書を作成するため、価格調査、査定は必要条件となります。
既にAIによる価格査定も始まってますし、国土交通省もこのような動きを後押しすべく、地価公示等の資料を公表していく方針だと新聞に掲載されておりました。
さて、不動産鑑定士にとっては脅威が本格的になりましたが、ユーザー様にとっては、ネットで全てが完結できる日が近くなっていますし、データに基づいた査定額を知ることができ、また、住みたい物件が決まっていれば、あとは自動で探してくれるようにもなるため、かなり便利になると思います。
ここから先は私見ですが、そもそも鑑定とAIの査定は、あまりバッティングしないのではないか?と感じています。もちろん、居住用マンション一室や土地、一般的な戸建住宅、一般的な収益物件については、AIによる査定があれば、別に鑑定を取る必要もなくなるかと思います。しかし、鑑定士の仕事には説明責任というものがあります。複雑な権利関係、用途混在、特殊案件、大規模物件、早期売却価格、継続賃料等は、特にクライアントに説明を求められるケースが多いので、この面では「人」じゃないと厳しいかなと考えております。もちろん、コンサルティングはまだまだ人間が説明しないと、商売にはなりませんよね。
それから、不動産は同じものが存在しないため、現地での確認、建築可能性等の調査は絶対必要条件なので、AIの課題はそういう面になるでしょうか。
さて、一年後はどのくらい不動産業界が変化しているか、戦々恐々ではありますが、楽しみなところです。