証券化対象不動産の鑑定評価に関する研修を受講しました。

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日本不動産鑑定士協会連合会主催の「証券化対象不動産の鑑定評価に関する研修」を受講してきました。

グローバル不動産市場、商業施設、ホテルのそれぞれの分野で第一線でご活躍されているプレーヤーの方のお話を聞けたところは大変有意義でした。

以下、備簿録も兼ねて、雑感を羅列します。

〇投資不動産市場

・マイナス金利は速度の違いこそあれ、不動産市場には有利に働く。日本でも機関投資家等が国債への投資から不動産やインフラ関連の投資にシフトしつつある。

・国債の金利が下がれば下がるほど、過去7年間の動きでは、東証リート指数は上昇している。

・オフィスとレジデンシャルの賃料水準は、徐々に近づいている。一部地域を除いて、オフィスよりもレジデンシャルの比率が大きくなってきている。

・グローバルな視点から、日本の不動産はリスクが低く、リターンが高い状況である。また、不動産のパフォーマンスは他の金融商品と比較しても、長期的にみてリスクが低く、リターンが高い。

〇商業施設

・団塊世代リタイヤ後以降、64歳以下の消費は年1%減少。よっていかに70歳以上の消費を伸ばすかが重要。

・中国人の爆買いは昨年の一時的なもの。ただし今年も一昨年よりは良い。

・外食は堅調だが、惣菜等の中食の市場規模が伸びている。

・家電量販店は厳しいが、ドラッグストア等の専門店は伸びている。衣料系の専門店や家具のニトリも伸びている。

・新規SCは07年11月のまちづくり三法改正によりかなりペースダウンしている。

・単身世帯の増加、ファミリー世帯の減少によりGMSが後退、CVSが成長。一人需要をいかに取り込むかが重要。駅立地の商業施設の増加(JR,東京メトロ)

・郊外の需給バランスは総じて厳しい。

・都心部は、渋谷エリアが厳しい状況になりつつある。かわりに、南青山、表参道等へシフトしている。ブランドの付加価値を高めるために賃料を払っており、路面立地が重視されるため。このようなエリアは銀座も含めて、賃料は販管費計上となっている。ただし、新宿は売上から家賃を払えている状況。

・ルミネ等は定期借家なので、売上悪いと再契約せず、テナント構成がうまくいっている。

・観光商業は伸びしろが多い。

・今後は、既存SCのリニューアル、建替え等が増加する。

〇ホテル

・ADR(平均客室単価)上昇により、RevPAR(客室1室当たり売上)上昇局面で、まだこの傾向は継続している。

・外国人は伸びているが、日本人宿泊者数も伸びている。

・観光マーケットとして日本はまだまだ伸びる余地が多い。

・ホテル不足、人手不足が深刻になる。またホテル周辺ビジネスでも同様な事態になる。

・中長期的にホテルの事業環境は明るいが、客室供給不足がネックとなる。また、供給も進んではいるが、需要に追いついていない。

・人手不足対策には、ホテル運営の経営合理化等を促進する必要がある。

全体的に各分野の専門家のお話は有意義でしたが、個人的には商業施設関連の講義が一番印象に残りました。特に家賃が極めて高い商業地は、家賃を販管費で計上する点と、ブランドの付加価値を高めなければ意味がないので、路面店に拘っている点等のお話が参考になりました。