回復基調?6月の不動産価格について

6月の動き

レインズを運営する公益財団法人東日本不動産流通機構の6月度の調査によれば、6月の首都圏の中古戸建住宅契約件数は前年同月比-4.9%(5月の前年同月比-20.5%)、成約価格は-4.4%(5月の前年同月比-16.2%)下落となっています。
首都圏中古マンション成約件数は前年同月比-11.0%(5月の前年同月比-38.5%)、成約㎡単価においては+1.4%(5月の前年同月比+0.4%)の上昇を見せています。

東京都を見ると、6月の中古戸建住宅契約件数は前年同月比-11.6%(5月の前年同月比-39.0%)、価格については-9.3%(5月の前年同月比-14.7%)下落になっています。
都内中古マンションの成約件数は前年同月比-10.7%(5月の前年同月比-37.6%)、㎡単価は+0.6%(5月の前年同月比+2.5%)の上昇となっています。

私の住んでいる千葉県については、6月の中古戸建住宅契約件数は前年同月比+3.6%(5月の前年同月比-13.4%)、価格については+6.1%(5月の前年同月比-11.5%)になっています。

また、新築住宅については、元々影響が小さめでありましたが、成約件数で前年同月比+46.3%(5月の前年同月比+19.2%)、価格については前年同月比+5.1%(5月の前年同月比-6.1%)となっております。
千葉県の中古マンションの成約件数は前年同月比-10.9%(5月の前年同月比-39.5%)、㎡単価は+7.8%(5月の前年同月比-8.4%)となっています。
千葉県の土地成約件数は前年同月比+5.3(5月の前年同月比-15.3%)、成約㎡単価は+20.6%(5月の前年同月比-25.0%)となっています。

また千葉県をエリア別で見ると、
総武地区(市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、浦安市、習志野市、八千代市)の中古戸建住宅契約件数は前年同月比+14.3%(5月の前年同月比-20.9%)、価格は-0.6%(5月の前年同月比+13.6%)となっています。
常磐地区(松戸市、柏市、我孫子市、流山市、野田市)の中古戸建住宅契約件数は前年同月比+21.6%(5月の前年同月比-33.3%)、価格は+0.9%(5月の前年同月比-17.3%)となっています。
千葉市地区の中古戸建住宅契約件数は前年同月比+5.0%(5月の前年同月比±0%)、価格は+9.7%(5月の前年同月比-19.2%)となっています。

 

傾向

今回は6月の前年同月比と5月の前年同月比を併記しているため、概要として回復基調になっていることが分かると思います。都内については前年と比較すると厳しい局面に変化はないのですが、下落率はかなり緩くなっています。

千葉県においてはコロナ前の元々の地価過熱感が少なかった分、回復が早いように感じます。千葉県の常磐地区(松戸、柏、我孫子、流山、野田)の中古戸建は件数も価格も前年比及び前月比ともに上昇しており、6月末時点においてはV字回復の途中とも見えます。

今後、V字回復が継続するのか、それともまた下落に転じるのかは感染者数の推移、感染者の中でも重症者数の推移によるところが大きくなるかと思いますが、今のところは当初の予測よりも回復が早くなるように感じます。

ただし、柏駅付近の賃貸店舗募集状況は、コロナ禍で飲食店舗が閉店した影響等も散見されるため、飲食店舗ビルの空室リスクは当面は厳しい状況が継続すると予測します。

先月の時点で元に戻るのは2~3年と予測していました。今月の状況を見ると先月よりもやや楽観的な状況になっていると思いますが、7月に入ってから感染者数が増大している状況もありまだまだ不透明感が拭えませんし、昨秋の消費税増税の影響も実は大きいため、コロナ禍の経済対策・施策の中で消費税減税も考えて頂きたいところです。